平成25年度 第25回異業種交流会(冬)

日時:平成26年1月19日(日)10:30~13:30
場所:金沢スカイホテル 10階
会費:2,000円(講演聴講のみは無料)
講師:
金沢工業大学情報フロンティア学部経営情報学科
教授 勝山光太郎 先生
演題:
「情報セキュリティについて」
参加者数:17名

-講師プロフィール-

大阪大学基礎工学制御工学科卒。三菱電機(株)入社。情報技術総合研究所情報セキュリティ技術部長、技師長などを経て 2012年金沢工業大学教授就任。 (出典:大学教員録より)

-巧妙な手口にみなさんご注意を!情報セキュリティを学ぼう-

 第25回異業種交流会は、平成26年1月19日(日)前日までに降り積もった雪の中、経工会会員ら17人が参加して金沢市の金沢スカイホテルで開かれました。 今回は、勝山光太郎 先生(金沢工業大学)を講師として招き、『情報セキュリティについて』と題した講演を行いました。 勝山先生は、三菱電機の出身で、主に通信ソフトウェア、情報セキュリティの研究開発に携わってこられました。

勝山先生は、「三菱電機では、通信ソフトウェアの開発や標準化、分散化OS開発に携わり、 1995年から情報セキュリティやネットワークセキュリティを研究していた。 三菱電機は、開発した暗号化手法で発明賞をもらったこともあるくらい、実は暗号化関連製品が得意分野で、 侵入検知装置や攻撃をすることで脆弱性を診断する製品なども開発していた。」と自己紹介されました。 上映されたビデオでは、三菱電機が開発した暗号化アルゴリズムMISTY、KASUMIの紹介がありました。 これらのアルゴリズムは、IPSec VPN装置など実際のネットワークセキュリティ製品でも利用されているということです。

次に、情報セキュリティの変遷について、「以前はいたずら目的の攻撃が主流だったが 2009年頃から国家安全保障レベルにも値する諜報目的の攻撃へ変化した。これに伴って セキュリティ対策製品が普及するとともに、官民あるいは国際連携の強化、セキュリティ人材育成の強化 が行われていった。」と説明し、情報セキュリティはもはや一個人の問題ではなく国家間レベルの 問題に拡大したことを強調されました。

攻撃手法としては、「最近多い諜報目的の標的型攻撃、スマートデバイスを狙った攻撃が特に目立つ。 そのほかに身近な例としては、銀行ATM窓口に手の込んだ細工をしたATMスキミングや、 SNSでの個人情報漏洩、IDのっとりなどもみられる。どこに危険がひそんでいるか、気をつけないといけない。」 と参加者へ注意を促しました。 その上で、「メールや、FAXは送り先をしっかり確認すること。また、個人情報を持ち出すことで、 おき忘れや紛失の可能性がある。個人情報が一回漏えいしてしまうと、取り返しがつかない点がネットワーク の一番怖いところである。」と説明すると、参加者からはメモをとりながらうなずく姿がみられました。

最後に、情報セキュリティマネジメントの必要性について、「情報セキュリティマネジメントは、 一人ひとりの対策も必要だが、組織として総合的なセキュリティ対策が必要である。 組織での意識の低さ、運用規定やマネジメント体制の未整備が脅威へつながる。 これらを整備して、規定→運用監視→教育・啓蒙のPDCAサイクルを回すことがセキュリティマネジメント の鉄則である。」 とまとめられ、参加者へセキュリティマネジメントの重要性を訴えました。

昼食会では、加賀百万石大名の前田家家紋をあしらった5つの椀に、新鮮な季節の刺身やじぶ煮など豪華な料理が 彩りよくもよく盛り付けられ、参加者は手のかかった料理に舌鼓を打ちながら、会員同士で近況を報告し合う様子が みられました。