元金沢工業大学教授 大島弘安先生(元経工会名誉会長・顧問)におかれましては令和2年3月に逝去されました。このたび金沢工業大学基礎教育部 石井和克先生より追悼文をいただきましたので謹んで掲載させていただきます。
元金沢工業大学教授 大島弘安先生におかれましては令和2年3月にご逝去されました。心より哀悼の意を表します。
先生は、1959(昭和34)年3月に金沢大学工学部電気工学科をご卒業後、同年4月に株式会社日立製作所に入社され、1992(平成4)年に本学教授に就任されました。以来、1994(平成6)年経営工学科主任、1995(平成7)年人間・情報・経営系副主任(システムズデザインコア主任)、1999(平成11)年人間系副主任、1995(平成7)~1999(平成11)年経営工学専攻主任、2000(平成12)~2001(平成13)年人間・情報・経営系進路主事等の要職を担当される中、経営工学科の学部および大学院で教鞭をとられました。
経営工学専攻主任の際には大学院改革として、独立専攻(学部を持たない専攻)であるシステム設計工学専攻と経営工学専攻の一部を統合化し、博士後期(博士)課程に経営工学科からも進学できる道を検討され、その調整役として苦心されていたことを思い出します。
教育面では、日立での実務経験をまとめ、大学院の共通科目として「技術マネジメント」という新たな科目を立ち上げ、そのためのテキストとして「実践技術マネジメント」[1]を執筆、出版されました。これは、2014(平成26)年から修学基礎教育課程のカリキュラムとして全学学部3年生対象の必修科目(2単位)「技術マネジメント」として開講されている教育プログラムの先駆けとなっています。また、研究室では150名の学部卒業生、33名の大学院博士前期(修士)課程を指導されました。教育の場を離れた後も、産学連携室特命教員(2004(平成16)~2006(平成18)年)として本学の教育・研究活動の支援にご尽力されました。
工大教職員組織である旦月会家庭菜園部の初代部長として毎年「たけのこ堀り」を主催され、熱心に参加案内をされていたこと、興が乗るとカラオケでは、十八番の「浪花恋しぐれ」を歌われていたことなどが懐かしい思い出として残っています。先生のご冥福を心より祈念いたします。
参考文献:
[1]大島弘安、実践技術マネジメント、日科技連(1998)